チェコ料理レシピ第8回 牛肉のグラーシュHovězí guláš 

Ma Vlast 120号(2021.10)

チェコ料理研究家 村田祐生子

暖かい料理がおいしい季節になってきました。今回はビーフのグラーシュです。見た目はビーフシチューのようですが、主材料は牛すね肉と同じグラム数の玉ねぎと意外とシンプルです。パプリカやクミンなどボヘミアンなスパイスや香草を利かせればあとは煮込むだけ。チェコの味が出来上がります。ただ、「チェコ料理あるある」がそのものなのがグラーシュ。時間があればすべて守ってみたいものです。

チェコ料理あるある。

「今日はチェコ料理を作ろう!」と材料をそろえ、いざ取り掛かると、しばしばレシピの第一行目に「肉は塩とスパイスを振り、一晩寝かせておく」、、、え、一晩? 気を取り直して、まあそこは寝かせ時間が短くても何とかなるでしょ、と作り始めると、次の手順「2時間くらい煮込む」ええ? あの、、、すでに夕飯の時間なんですけどっ。もう、やっとお肉が柔らかくなった。味を整えて、ふう、出来上がりかな?レシピ最後の一行「この料理は一晩寝かせるとおいしい」 気絶!

 ご安心ください。今回のレシピは3日かけなくても大丈夫なようにしてあります。

材料 

 牛のすね肉 600g 玉ねぎ 600g

 生しいたけ     3-4個

 粉パプリカ (大さじ1) クミン(粉)

 にんにく マジョラム

つくり方

1)すね肉は1センチ5ミリ厚さの輪切りにしてさらに細長い角切   りにする。すりおろしたにんにくと塩とサラダオイルをもみこみマリネしておく。(できれば前の晩に)

2)鍋に油を熱し粗みじんに切った玉ねぎを透き通るまでいためる。たまねぎを端に寄せて肉を加え、肉の表面を焼く。肉の色が変わったらパプリカを加え、鍋の中で玉ねぎといためあわせ、水をひたひたに加えて蒸し煮にする。

3)唐辛子、つぶしたニンニクを加えさらに煮込む。(1時間強。肉が柔らかくなるまで。圧力鍋なら早い。) 焦げないようにときどき混ぜる。

4)冷たい水でといた小麦粉を加えとろみをつける。

5)しいたけの薄切りを加え、塩、胡椒で味を整え、マジョラムを砕いていれる。

6)クネードリッキ(次回予定)を添えて。(なおグラーシュは一晩寝かせるとさらにおいしい。)