チェコ料理レシピ第15回 スヴィチコヴァー(ビーフのクリームソース添え)Svíčková na smetaně
Ma Vlast 128 202211
チェコ料理研究家 村田祐生子
11月初旬、野菜をたくさん扱っているスーパーにいったところ、チェコ料理には欠かせない根菜、パセリルートpetrželとセロリアックcelerを見つけました。どちらも国産で手の届く価格!早速購入しました。この二つはチェコ料理の基本材料で、チェコでは玉ねぎやにんじんなどと同じように簡単に手に入りますが日本ではなかなかお目にかかれません。これが手に入ったので、かねてよりご紹介したかったチェコで一番のごちそう料理「スヴィチコヴァー」を作ることにしました。大使館近くの大きいスーパーでもパセリルートは11月に一度しか入荷しないとのことでした。
スヴィチコヴァーはチェコ料理の代表格で、レストランでも人気です。ビーフに根菜のパセリ、セロリ、ニンジンのピュレーをベースにしたクリームソースがたっぷりと敷かれ、付け合わせはクネードリキです。レモンスライスにホイップクリームを絞り、クランベリーのソースで彩るのが正統派です。お肉の火の通し方はお好みでどうぞ。塊肉の肉の周りを焼いた後、オーブンでローズ色に焼き上げるローストの方法でご紹介します。他にも表面を焼いた後、根菜と一緒に鍋に入れ、蒸し煮(braise)する方法もあります。
牛肉の料理ですが、根菜の風味のスヴィチコヴァーソースが肉の脂を包み込み、あっさりした料理に感じられます。飲み物は香りの高い白ワインが良く合います。結婚式やクリスマスのディナーに出される晴れの日のメニューですから、頑張って作ったらとっておきの白ワインをあけてください。
材料
牛フィレ肉(またはランプ、肩など赤身のロースト用)塊で500グラム、
ベーコン 40グラム 薄切りなら2,3枚
根菜類( ニンジン、セロリアック、パセリルート )各100グラム
タマネギ 中半分、レモン 半分 生クリーム 200cc (ソース用150cc 飾り用50cc)
塩、コショウ、砂糖、ローリエ、オールスパイス(ホール)、マスタード、サラダオイル、クランベリーソース(缶詰)
作り方
- 牛肉に数か所穴ををあけ、細切りにしたベーコンを奥まで差し込み、塩、コショウで味をつける。
- フライパンにサラダオイルを熱し、周りに焼き色をつけ、バットに載せる。
- オーブンは150度に予熱し、肉をいれ、ローズ色にゆっくりと焼く。40分程度。中心温度57度が目安。
- 根菜類と玉ねぎは皮をむき、ダイスに切る。セロリアックもパセリルートも固いので注意。
- 肉を焼いたフライパンにサラダオイルを少し加え4)を炒める。水をカップ1注ぎ、フライパンのうまみをこそげ取り、鍋に移す。肉をローストしたの肉汁と水をひたひたに加え、ローリエ、オールスパイスを加えてフタをして15分くらい野菜が柔らかくなるまで煮る。
- 野菜が柔らかくなったら、ローリエ、オールスパイスを取り出し、フードプロセッサーにかけ、きめ細かいピュレー状にする。鍋に戻し、生クリームを加え、再び火にかけ、塩、コショウ、レモン汁小さじ2をいれ、味を調える。
- 肉は7-8ミリの厚さにスライスし、先にソースをたっぷり敷いた上に盛り付ける。
- レモンスライスに、泡立てた生クリーム(味は付けない)を絞り、クランベリーソースを大さじ1くらい載せる。
- クネードリキ(バックナンバー参照)をそえる。